唯一者とその喪失
dracom
世界経済の煽りを受け、孤独に陥った男と移民労働者のあいだに起きた悲劇。
日本のバブル崩壊やデジタル社会の発展によって不遇の人生を送るなか自我を喪失していく中年の日本人男性と、日本とベトナムの架け橋になることを夢見て来日したベトナム人女性とのあいだで起きた悲劇を描く。2022年4月に大阪で起きた強盗殺人事件を下敷きにし、グローバル資本主義がもたらす影響や仏教の死生観なども捉えるフィクション作品。世界の諸相を抉り出す詩のような台詞が、俳優の不穏に淡々としたパフォーマンスを介して、現代社会における個人の偏見と潜在的なイデオロギーを揺さぶる。今年7月の大阪初演を経てYPAMフリンジにて上演。
会場
- THE HALL YOKOHAMA
- 〒231-0023
横浜市中区山下町112-11 テックスクエア 2F
日時
12.8 Mon 20:00
12.9 Tue 15:00
上演時間
90分
言語
日本語
翻訳・字幕
英語字幕
チケット
YPAM参加登録者 前売 ¥2,000 / 当日 ¥2,500
一般 前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000
U25 前売 ¥2,500 / 当日 ¥3,000
お取り扱い:YPAMチケットサイト
アーティスト情報
- dracom
ユーモアあふれるシュールな作品から社会問題を扱ったシリアスなものまで、様々な展開をみせてきた筒井潤/dracom。代表作に、録音した台詞と俳優のパフォーマンスをずらすことで、観ている者に奇妙な感覚を与える『もれうた』や、人が死にいたる時間をシンプルかつ大胆に描いた『ソコナイ図』などがある。ギリシャ悲劇と日本社会で起きた事件を接続した『事件母』は「言語によって形づくられ、文法という法に拘束された人間の姿も射程に入れた大きな物語(2011、小澤英実)」と評されるなど、注目を集めている。
- 筒井潤
演出家、劇作家、俳優。公演芸術集団dracomリーダー。2007年京都芸術センター舞台芸術賞受賞。ニューヨークで実施されたSegal Center Japanese Playwrights Project 2018にて『ソコナイ図』が優れた戯曲に選出。
dracomとしては国内外の国際フェスティバルに多数参加するほか、個人として『新長田のダンス事情』で演出、ルリー・シャバラ『ラウン・ジャガッ:極彩色に連なる声』では空間演出を担当。大阪を拠点にジャンルや形式にこだわらず、幅広く活躍している。
スタッフ/キャスト/クレジット
作・演出|筒井潤
出演|岡村ゆきを 住吉山実里 髙山玲子 筒井潤
舞台監督|北方こだち
舞台美術|竹腰かなこ
照明|塩見結莉耶
音響|佐藤武紀
衣裳|松田早穂
宣伝美術|電電虫子
制作|阪田愛子
当日運営|石田麻菜美
協力|orangcosong
助成|クリエイター支援基金
主催|dracom、株式会社precog
