泳ぐ彼女は果てを見ている(リーディング公演)
鳥公園
どこまで戻ったら、間違いを正せる……?
本作は、「からゆきさん」についてのリサーチに基づいたフィクションだ。からゆきというのは、明治から昭和の初期にかけて、東南アジアを中心とした世界各地に渡り娼館勤めをした日本人女性のことである。貧しかった日本は、からゆきさんの稼いだ外貨に大いに支えられた。「日本」および「日本人」というものがムクムクと立ち上げられた時代に、からゆきさんたちは踏み台にされ、棄てられた。彼女たちは「醜業婦」と蔑まれたが、「醜業」を成立させている側の主体はいつも透明なままだ。それは彼女たちを買う客であり、領土拡張のため男たちを外地に定着させたがった国家である。主体として透明でいられることは、安心かもしれない。でもその安心は、個を徹底して使いつぶそうとする国家の暴力の隠れ蓑かもしれない。日本のおじさんは、敗戦後も現在に至るまでずっと透明なままに見える。その内側に何があるのか?(何か、あるのか?)空虚な穴に呼びかける。
会場
- 八番館
- 〒231-0054
横浜市中区初音町2-42-3
日時
12.11 Thu 16:00
12.12 Fri 12:00
12.12 Fri 16:00
12.13 Sat 13:00
12.13 Sat 16:00
公演期間中、ジューン・タン(Five Arts Center)、西尾佳織らによるポストトークを実施予定。詳細は公式サイト及びSNSにて発表。
上演時間
85分
*12.4 Thu 70分から85分へ変更
言語
日本語
翻訳・字幕
英語字幕
アーティスト情報
- 鳥公園
2007年設立、東京拠点の演劇集団。社会の中で人と人のあいだに引かれる境界線を問い直し、「正しさ」から外れな がらも確かに存在するものたちに光を当てようと試みている。鳥公園を「演劇作品を上演する団体」ではなく「広く演劇的営みのプロセスが生成される〈場〉」と 定義し、公演の前後や水面下にも広がる有機的な活動の全体を提示・共有す ることを目指す。活動報告会や決算報告会、アニュアルレポート作成など、プロセスの公開にも積極的に取り組み、作品づくりと創作環境の構築を同時進行で進めている。
スタッフ/キャスト/クレジット
作・演出:西尾佳織/出演:和田華子(青年団)、稲継美保/ドラマトゥルク:萩庭真/宣伝美術:鈴木哲生/企画進行:奥田安奈・五藤真/助成:公益財団法人セゾン文化財団/製作・主催:鳥公園

