プッシュ・プル・マター
濱田陽平/おどるさかな団
押すか引くかではない。体は、そして世界は、押されつつ引っぱられている。
プッシュ・プル・マターはノルウェー発のダンスパフォーマンスで、ロープや棒といったシンプルな道具を用いる。異なる文化的背景を持つダンサーたちが、身体と道具の関係性を探求する。道具は敬意を込めて扱われ、また意図的に誤用されることで、身体と道具、そして身体と世界との新たな関係性を発見しようとする試みである。このプロジェクトは、木工用鉋が日本では引く動作で、ノルウェー(およびその他の多くの国々)では押す動作で使用されるという事実から出発した。道具と身体の関係性に関する研究は、日本とノルウェーで2年以上にわたり行われ、ノルウェーでの創作を経て、2023年8月にノルウェー・ベルゲンのノルウェー漁業博物館で初演された。
アーティスト情報
- 濱田陽平 / おどるさかな団
おどるさかな団は、ノルウェー北部を拠点とする日本人ダンスアーティスト・濱田陽平によるプロジェクトグループ。 身体を、地球・生命・社会といった動的システムを再発見する道具と捉え、ダンスを通じて自己と身体、身体と物体、人間と自然といったシステム間の関係を、ヨーロッパ中心の二元論を超えた形で再構築することを試みる。数学、建築学、物理学、人類学、言語学、武術、舞踊技法から得られる知識と日常生活の知恵を学際的に参照しながら、サイトセンシティブに活動する。
スタッフ/キャスト/クレジット
コンセプト:濱田陽平
創作・出演:カタリーナ・スコー・リサ、リーナ・カルミ、濱田陽平
演奏:ジョン・アンドリュー・ウィルハイト
衣装:オルガ・レギツェ・ディルロフ・ホエグ
共同制作:Bodø2024、BIT Teatergarasjen、Carte Blanche - ノルウェー国立現代舞踊団

