等晶播種

シュウ・ジャウェイ(許家維) + チャン・ティントン(張碩尹) + チェン・シェンユゥ(鄭先喻)

砂糖と布袋戲を通して見る、台湾と日本の、近代化と戦争の記憶。

  • 台湾
  • ヴィジュアル/映画
  • インスタレーション/展示

台湾を拠点に国際的に活躍するアーティスト、シュウ・ジャウェイ(許家維)、チャン・ティントン(張碩尹)、チェン・シェンユゥ(鄭先喻)。普段は個々で活動する三人ですが、日本統治時代の台湾における砂糖産業を起点に台湾と日本の関係や近代化の記憶を辿る二部作、『等晶播種』(2021年)と『浪のしたにも都のさぶらふぞ』(2023年)を共同で制作しました。

「等晶播種」は砂糖の結晶化工程を意味する台湾華語。日本統治時代に雲林県・虎尾—チャン・ティントンの祖父母はこの街で暮らし、日本語を話していました—に建てられた製糖工場を舞台に、伝統的人形劇(布袋戲/ポテヒ)の語りの手法を用いて戦争、産業、近代化の記憶を浮かび上がらせる映像インスタレーションです。KAAT神奈川芸術劇場での『浪のしたにも都のさぶらふぞ』とあわせてご覧ください。

会場

東京藝術大学元町中華街校舎
〒231-0023 横浜市中区山下町116

日時

12.8 Mon – 12.12 Fri
10:00–18:00

12.13 Sat
10:00–13:00

上演時間

32分18秒

言語

日本語、台湾語

翻訳・字幕

日本語・英語字幕

チケット

無料(予約不要)

アーティスト情報

シュウ・ジャウェイ(許家維)

1983年台中生まれ。作品を通して、従来の歴史の語りでは忘れ去られて排除されてきた人間、物質、場所の関係性を紡ぎ、台湾とアジア各地との地政学的、歴史的、文化的接続、時代の波に翻弄される人々の個人史に光を当てる。2013年のヴェネチア・ビエンナーレ台湾パビリオンに出品、同年ヒューゴ・ボス・アジア・アート賞のファイナリストとなる。2017年、第15回台新アワード最優秀賞を受賞。2024年、第10回Eye Art & Film賞受賞。タイランド・ビエンナーレ チェンライ2023、アジア・パシフィック・ビエンナーレ(2021年、オーストラリア)、シンガポール・ビエンナーレ(2019)、上海・光州・釜山・シドニービエンナーレ(2018)などのグループ展に参加。日本では「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」(2018年、国立国際美術館)、シアターコモンズ'18、「MAM Screen」(2018年、森美術館)、「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(2025年、森美術館)、国際芸術祭「あいち2022」に参加している。

チャン・ティントン(張碩尹)

1982年台北生まれ。張はゲームとアートの批評的側面に着目し、複数の感覚に働きかけるインタラクティブなインターフェースを通じて、ゲームのプレイヤーとアートの観客の双方を惹きつけ、シンプルな操作で詩的な物語世界に没入できるゲーム体験を創り出している。これまでにマットレス・ファクトリー現代美術館(アメリカ)や台北市立美術館(台湾)等で個展を開催。テアター・イプセン(ノルウェー)、台北ビエンナーレ(台湾)、コンプトン・ヴァーニー美術館(イギリス)、ウェルカム・トラスト(イギリス)などでグループ展やコミッションに参加している。主な受賞歴には、SXSWイマーシブ部門審査員特別賞(アメリカ)、台新アワード(台湾)、台北美術賞(台湾)、エルツォグ・ダ・シルヴァ賞(スペイン)、VIAアーツ・プライズ(イギリス)、ギルバート・ベイズ賞(イギリス)などがある。

チェン・シェンユゥ(鄭先喻)

1984年高雄生まれ。アーティストでありソフトウェア開発者でもあり、電子機器を取り入れた美術作品やソフトウェア、実験的な生物電子装置を制作している。人間の行動や感情、ソフトウェア、機械同士の関係性に焦点を当てた作品を通じて、社会や環境に対する独自の視点をユーモラスに表現している。2014年に台北デジタルアート賞最優秀賞、2017年に高雄美術賞ニューメディア・アート部門最優秀賞、2019年に銅鐘藝術賞、2021年に第19回台新アワード視覚芸術部門賞を受賞。また、2023年にはアルスエレクトロニカでS+T+ARTS栄誉賞にノミネートされた。台湾、アジア、ヨーロッパを中心に個展の開催やグループ展に参加している。近年では、アルスエレクトロニカ・フェスティバル2023、バルセロナのソナー2025、さらにオランダ、スロベニア、ノルウェー、イタリア、ドイツ、フランス、オーストリア、韓国などで展覧会に参加している。

スタッフ/キャスト/クレジット

許家維 + 張碩尹 + 鄭先喻
《等晶播種》
2021年
3チャンネル・ビデオ・インスタレーション
32分18秒

脚本:林政興、張碩尹、許家維

製糖工場内でのパフォーマンス:余若枚
布袋戯上演:昇平五洲園

劇団長:林政興
主演:林政興
人形遣い:林政權、林坤寶、陳憲忠、廖先敏、廖穎毅、鍾明良
衣装デザイン:林佩瑜
太鼓:朱南星
銅鑼:李慧珍、廖冠評
ソーナー:吳清秀
三弦:蔡亞霖
二胡:李亭萱

映像監督:許家維
音響監督:林經堯
現場ラインプロデュース:郭宇庭、黃惠婷、徐元彥
作曲・電子音楽:許德彰
音響助手:區志桓
撮影監督:張能禎
撮影:凌瑋隆、蔡弦剛、潘彥安
照明:洪政献
照明助手:王錚
技術監督:鄭先喻
ドローン撮影:陳偉勝、齊培丞(攝視度影像有限公司)、鄭先喻
パノラマ撮影:黃昱琪、黃郁傑、洪譽豪
プロジェクション・マッピング:鄭先喻
録音:馮志銘、丁啟祐、徐元彥、高勤倫
録音助手:イマヌエル・ダンネンブリング
楽器デザイン:張碩尹、陳亮融
楽器制作:許少軒、徐瑞謙
布袋戯背景画制作:楊子逸、金祺龍
セットデザイン:許少軒、劉文豪、謝其軒

エグゼクティブ・プロデュース:李雅婷
日本語音声録音プロデュース:田中沙季
日本語声優:井上達夫
日本語音声録音:藤口諒太
日本語翻訳:植田かほる
英語翻訳:李曉瑋
映像編集:許家維
音響デザイン:許德彰
サウンド・ミキシング:許德彰、馮志銘(モスラ・プロダクション)
カラーコレクション:楊子逸

インスタレーション・デザイン:張碩尹、鄭先喻、許家維
設営:大脇理智、三浦陽平
テクニカルサポート:三浦陽平

サウンド共同制作:C-LABサウンドラボ、国立台湾芸術大学サウンド・アート実験センター
撮影協力:台湾糖業公司虎尾糖廠
スペシャル・サンクス:賴俊良、財団法人中央広播電台、李天禄布袋戯文教基金会、雲林県政府文化観光処

本作品は、2020年度科学技術芸術創作発展補助による助成を受けて制作されました。

共催:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター

関連プログラム

シュウ・ジャウェイ(許家維) + チャン・ティントン(張碩尹) + チェン・シェンユゥ(鄭先喻)
浪のしたにも都のさぶらふぞ:YCAMとのコラボレーション